ういの頭の中

独り言

『最遊記歌劇伝-Oasis-』感想 (主にヘイちゃんのこと)

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【トリセツ】
13公演中7公演観させていただきましたが、前で観ようが後ろで観ようがセンターで観ようが下手で観ようが上手で観ようがヘイちゃんばっか観てたのでOasisの感想ですが主にヘイちゃんの感想になります。


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始まる前は三蔵不在ってことで「え、ヘイちゃんとの会話どうやるの?」という疑問ばかりでしたが、終わってみればめちゃくちゃ良かったしなんなら歌劇伝で一番好きかもしれない…。


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時系列で書き殴るよ!!

 

とりあえず開始5分で「光さえない~」って歌いながらヘイちゃんが出てきた時点で「ありがとうございますありがとうございます。」って拝んだしそこからヘイちゃんオンステージが始まってもう開始10分経たずにチケ代回収できましたね!実質無料!!

 

しかもこのヘイちゃんソロ結構明るめな曲調なのに

 

サヨナラを握りしめて
眠った朝は
時が経つのが遅すぎて
アリガトを伝えられていない
夢よ襲ってくれ
思い出すべて消してくれ
消さないで
消さないで

 

って後半こんなしんどい歌詞なの。
この時点でヘイちゃんが背負ってるもの見せつけられてもう泣くよね。
アリガトを伝えられていない  ってもうほんと…しんどい。

 

そして斉天大聖のシーンへ。
今回斉天大聖の登場の仕方、照明と効果音がすごく良かった!前方すぎる席だとわかりづらいけど後方で観た時ほんとに空からダンッ!!って高速で降りてきたように見えた。
あと三蔵の代役の方すごい研究されたのだな!って感じでめっちゃ本物に寄せてて素晴らしかったですね。

 

オープニング曲。
Darknessの時三蔵とヘイちゃんで歌ってた「恩を返せぬまま私は生きている」がヘイちゃんソロになってさっきの「アリガトを伝えられていない」と直結してあーここでもしんどいな!ってなったんだけど、その後の悟空の「あなたに伝えたい」で暗転した直後のヘイちゃんのステップとダンスがめちゃくちゃかっこよくてみぞみぞしたよね!みぞみぞですよ!

んで今回タイトルがバーン!って出た後、鴉が破壊していくのめちゃくちゃかっこよかった!!毎回観るの楽しかったな。

 

宿屋。
鯛造くんめちゃくちゃいいカラダしてんな…(そこかよ変態かよ)
あとここの八戒悟浄の曲好き。

 

そしてヘイちゃんのお楽しみミュージカルタイム。
「ヘイゼルマニュアル」ってぎりぎりやで!
ここのヘイちゃんずっと可愛さマシマシでラブリーすぎるね!
ガトとも仲良しで微笑ましい。
ヘイちゃんの「準備はいいか野郎ども!」割と似てたよね。法月くん器用だな~。

 

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一行砂漠。
日替わり楽しかったね!八戒も参加しちゃう天空の城フフフが一番笑った。

 

妖怪の町。
お気に入りキャラ「でゲスくん」爆誕である。
ほんとかわいい。キノコ頭かわいい。めっちゃ似合う。
さっきまでのキャラ残っちゃってる時のでゲスくん最高に好き。
初日はキャラ残ってなくてしばらく法月くんって気づかなかったけど笑
「恋のひなべっこ」の歌い方もかわいすぎてな!
しぃ~びれるほろひり~ひりすうぅ~って舌足らずで何歌ってるかわかんない感じ最高。

 

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そして王白張(ワンパクチャン)強烈すぎたよね…爪痕残しすぎだよ…
ギャグパートが去った後の悟浄のソロ曲も良いな~。太陽くんの悟浄素なのか役なのかもはや境目がわからなくて凄い。

 

 

人間の町。
三蔵に対してひたすらかわいいヘイちゃん。三蔵さま大好きかよ。
この時はまだ迷いなく妖怪はいらんって言いきれてるんだよね。
マスターが亡くなってからそれが全てだったもんね。

 

で、どんどんきな臭くなっていくわけですが、
アンサンブルさん達がすごい。歌もダンスも迫力があって舞台を盛り上げてる。
アンサンブルさんもみんな主役だなって思った。

 

お留守番の悟空と少女。
この悟空のさ、計算なしに女の子に顔寄せたり近くに座ったりするのマジ罪な男すぎるよな!!
少女のお兄ちゃんもいい味出しててよかった。

 

水汲みに出てる八戒と悟浄。
ここでBurialの曲が来るとは!って感じでしたね。さすが歌劇伝…。

 

再び悟空と少女。
「ずっとここにいればいいのに」って言われた時の悟空の表情がとても良い。
二人の歌もとても良い。この後の展開を知ってるだけに胸が苦しくなるね。

 

ヘイゼルとガト。
陳腐な説教のとこさ…。あーもうほんと、ここ三蔵さま居てほしかったな!!「五分の魂」!!大切なとこですよここ!!テストに出ますよ!!「誇り」ですよ!!もうなんで鈴木拡樹いないんだよー!!
ここからヘイちゃんの信念が揺らいでいきますね…しんど。

 

再び悟空と少女。
「あんたどっちの味方だよ!」これ言った方も言われた方もきっついね。
ここまわりで戦争してる中で普通の会話してる演出凄い好き。
非現実と現実が同時に起こってるみたいで、でもどっちもリアルで。
二人の会話はあたたかいのにとても残酷。

 

人間サイド。
人間に騙されたことに気づくヘイちゃん。
妖怪は絶対悪。いらんもんと信じて生きてきたヘイちゃん。
Darknessでそれが正しいかちょっとわからなくなってきてた状態の今この仕打ちである。みんなヘイちゃんをいじめないで!
人間の汚い部分を見せられて自分がしてきたことが本当に正しかったのか迷いだすんだけどそれを受け入れると今までの自分の人生を全否定することになるんですよね…。
妖怪を倒すことが生きる意味のような人生を送ってきたからそんなの簡単には否定できなくてひたすら苦しむヘイちゃん。
ここね、スポット当たってない時の法月くんの芝居がほんとうに細かくて。目の動きとか握りしめた手の力の入れ具合とか。
ずっとヘイちゃんから目が離せなかったな。そういうとこ円盤には全部入らないからしっかりと目に焼き付けようと思ってずっと観てた。


そしてそこから入るヘイちゃんの歌が苦しそうな表情も相まってほんっとしんどいしんどい。


「このおっさん~腹立つわ」の前に必死に怒りを爆発させないように抑えこんでるんだけど手袋を噛んでる時があって原作の冷静なヘイゼルよりも人間くさい法月くんのヘイゼルめっちゃ好きーーーーーーー!!ってなりました。ほんと愛おしいよヘイちゃん。


そんでガトがヘイちゃんの迷いをペンダントと共に粉砕するんですけどね、この時ヘイちゃんほっとしたと思うんですよ。
自分で決められなかった答えをガトが出してくれて、お前が“今”正しいと思った事が正しいんだって言ってくれてるようなもんじゃないですか。もうラブっすよファミリーラブ!ファミラブ!!


でここでマスターのセリフとともに流れる教会のパイプオルガン風ミュージックがまた涙を誘うんだ!この流れずるいこんなん泣くわ!それで「咲かせ心の花を」だし悟空の「もっとー」が入ってきてもう涙とまんないですよ。今まで堂々とふるまってたヘイちゃんの背中が丸まって小さくなっててね、もう…しんどい…しんどいしか言えねぇ…。


悟空の「俺にとって大事なのは何か なんだ」ってセリフ。これ原作だとペンダント粉砕する前の話なんだけどここに持ってくることによって迷い苦しんでるヘイちゃんにかかってくるんですよ!!やばい!!もう三浦香神!!最高かよ!!

 

そして悟空が子供たちに語り掛けるシーン。
お話の設定では子供たちへの言葉なんだけど、完全に客席の我々に語り掛けてくれてるんですよ。「ぜったい生きてていいんだ」って。
泣くなって言う方が無理です!!号泣!!


からのOasis編名シーン。
少女との別れ。完全再現ありがとうございます!!涙で前が見えないよ!!
そしてヘイちゃんのお歌が入るわけですが「恋のひなべっこ」が壮大な伏線だったと明かされる衝撃!!ヘイちゃんバージョンはタイトルが「Over」らしくて安心しました。「恋のひなべっこ」のままだとどんな気持ちで聴けばいいのかわからない…笑


「行こう、行こうぜ西に」「俺が行きたいから行くんだ」
真っ直ぐな瞳で瞬きせずに言う悟空がとても大きく頼もしく見えました。
成長した悟空が観れてよかった。

 

カーテンコールで一人ずつ出てくる時悟空っていつも笑顔で元気いっぱいな感じででてくるけど今回は真っ直ぐ前を見て一歩一歩踏みしめて歩いててなんか凄く感動した。成長した悟空感動した!でも三蔵戻ってきたらまた元気いっぱいになるんだろうな。はやく戻って来いよー!

 

恒例の集大成エンディングですが、これイントロの間に捌けきれなくて小走りでぴょんぴょん袖に消えていくヘイちゃんが毎回かわいかった。
本編が苦しんだ顔のまま終わっちゃったから笑顔で歌ってるヘイちゃん観れてよかったな。
「すでに予想は壊された~」の歌の時そっぽ向いてるヘイちゃんをガトがじーっと見てるのもうほんとファミラブ!

そしてエンディングでもヘイちゃんのダンスがかっこいい!!法月くんのキレキレダンスと衣装のひらひらの相性が抜群でもっと踊るシーン増やそうぜ!!っていう気持ち!!
「あなたに伝えたい」をマスターが後ろで見守る中ヘイちゃんが歌うの最高!ずっと見守ってあげてな!
ソロで高らかに歌う「Joy to be kept alive!」からのウイスパーで「Joy to be kept alive」たまんないな!生き続ける喜び!
で、ここで少女のお兄ちゃんが悟空に帽子かぶせてあげるのエモエモのエモでしょ!
そっからの全員のGo to the Westに負けないヘイちゃんのソロが素晴らしい!!
このエンディング聴いた後の多幸感やばいね。歌劇伝最高だよ!!


カーテンコールはしゅっぽっぽなど一行のかわいさが話題ですが、個人的には捌けるときに小さくジャンプして去っていくヘイちゃんがとてもかわいいのでみんなみてくれよな!!という気持ち!!


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Oasis編ほんっと良かったな~。
この熱を忘れないうちに続編をお願いします!!
ヘイゼル三部作を完結してください!!
法月くんのヘイちゃんとヴラハルの演じ分けが観たいんです!!
よろしくお願いします!!!!!

 

 

 

 

 

劇団☆新感線 『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』(独断と偏見に満ちた)振り返り

 

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劇団☆新感線 『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』終幕

 

いまだ修羅天魔ロスから抜けられず、あの千穐楽からすっかり夢をなくしちまったので、夢を捨て、全部捨てて一からやり直す為に自分なりに修羅天魔を振り返ります。

雑な落書きとともに…

 

※レポはツイッターでちょいちょい呟いたからそいういのでなく個人的な思いの丈を吐きだす感じなのでめちゃめちゃ主観にまみれています。

 

 


 

 

“ 捨之介も蘭兵衛も居ない極楽太夫が主役の『髑髏城の七人』シリーズ完全新作 ”

 

 

こんなこと言われても始まるまでどんな髑髏城になるのか全く想像できませんでしたが、あくまで土台は『髑髏城の七人』でありながらも新しい髑髏城の七人の物語がそこにありましたね。

 

 

まあ、ストーリーについては省略しますが、

個人的に今までの髑髏城シリーズの中で一番好きなお話でした。

 

最たる理由が  “登場人物全員の気持ちがわかる” ってこと。

 

今までの髑髏城わからなかったんかーい!

はーい!わからんかったんでーす!!

 

ええ…私この世に生を受けてわりと年月重ねてますけども、

「蘭兵衛」というキャラクターの気持ちが未だにまるでわかないんですよねぇ…。

「お前にはわからぬよ」うんわからぬ。

 

というのも私 “他人に依存する” ってことがまったく出来ない人間なのでね…。

だから殿に異様なまでに依存している蘭兵衛の気持ちが全然理解できないのです…困ったことに。

蘭兵衛さん、お前が無界で過ごした日々は何だったのー?

太夫に「大丈夫だ」って云ったり、髑髏城に乗り込む前に「この命安くはないぞ!」とか云ってたくせに直後コロッと落とされるの何なの?

ほんと理解不能だぜ…ちょ、おまっ…お前の意志どうなっとんねん!…て。

 

まさに「どうしてそうなった!!」である。

太夫それなー!/

蘭兵衛の気持ちがわかる人正直うらやましいです(真顔)。

(※ 誤解しないでいただきたいのですが、これは脚本批判とかではありません!髑髏城のお話は好きだし!あくまで私個人の気持ちの問題なのです。)

 

 

それに比べて修羅天魔のわかりやすさたるや!!

 

同じ無界屋襲撃ポジションに入った夢三郎なんて非常にわかりやすい!!

ただ自分の夢のために、父上のために生きてる!

ちょー真っ直ぐ!!

ほんとああいう愚直なキャラクター大好きなんですよ。

 

公式ツイの中の人が「闇の中で生きた夢三郎」といったり、他にTwitterでも「夢三郎かわいそう」という意見をみかけましたが私はそうは思わないんですよね。

そういう意見は決して間違いではないと思います。

それは天魔王サイドを「悪」と決めて見たときの意見だから。

 

でもね、天魔王は自分を「悪」だとは思ってないし、自分の「正義」を貫いて動いてる。

夢三郎も同じ。自分の「正義」を信じて生きてる。

私はそういう視点で観ちゃう人間なので、夢三郎が「闇でもがいてる」とか「かわいそうだ」とかっていうふうには思わないんですよね。

むしろ活き活きしているではないか…。

 

正義と悪なんて、勝てば「正義」負ければ「悪」だし。

おもくそ森山未來先生の受け売りですけど。

 

修羅天魔は自分の「正義」を持って真っ直ぐ生きていく人間たちの物語だった。

私は、そう思う。

蘭兵衛、すまんがおまえの「正義」はマジわかんねぇ…

 

天魔王サイドは負けて「悪」となってしまったけど、

自分が信じた道を曲げることなく真っ直ぐ生きて死んでいけて良かったねって。

極楽サイドは自分たちの「正義」を貫いて勝って生き抜けて良かったねって。

 

自分の中ですごく納得のいく物語だったな~。

中島さん最後にこれを世に送り出してくれてありがとう~

胸を張って一番好きだと言える髑髏城の七人だ!!

今すぐまた観たいよー!!もちろん生でー!!

 

 

 

…ちょいとここからキャラクターと演者について振り返ります。


 

 

─ 極楽太夫(雑賀のお蘭) / 天海祐希 

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美しい…まっこと美しい…。天海祐希って本当に実在するんだな…。

 

私、修羅天魔で初めて生天海祐希さまを拝見したんですけど、こりゃ女も惚れるわ~って思いましたね。

初日は「これがスターか…すげえ…オーラはんぱねぇ…」ってしばし物語に集中できなかったです。

最初の衣装でチラッと見える生足とかみちゃうよねー

 

修羅天魔の極楽太夫はね、なんかすごく「女」だったなと。

愛する人の為に生きて愛する人の仇をとるために生きて。

それを天海さまが演じることでいやらしさのない凛とした強さもある太夫が生まれた。

 

本当にかっこよかったな~。

口上とか毎回聞いてて気持ちよかった。

決めポーズもいちいちかっこいい!絵になる!

サントラに「行こーう!!」入りの百人斬り音源入れてほしい笑

 

天魔王撃ち殺した後の表情とかその後家康に見せた笑顔とか

走馬灯で毎回綺麗に流す涙とか

忘れられない絵がしっかり脳裏に焼き付いてる。

 

「浮き世の義理も昔の縁も三途の川に捨之助」

修羅天魔でこの台詞が聞けるとは思わなかった!

初日に受けたあの「うわぁ…!」って体中からなんかぞわぞわ湧き出る感じ、一生忘れない。

 

カテコでぐるーっと腕を回してからする綺麗なお辞儀がとても好きでした。

真似したい。する機会はない。

 

花鳥風月は前座だったのでは…と思えるほど、

髑髏YEARのラストを飾るにふさわしい座長でした!

エアーハグありがとうー!!

どうでもいいけど顔に全然汗かかないのなんなのすごい…

 

 

 


 

 

 

─ 天魔王・織田信長 / 古田新太 

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さすが看板。さすがの存在感。

始まる前から動かない宣言をしていた通りほんとうにあまり動きませんでしたが、

ただいるだけで圧を感じる絶対的天魔王でした。

ほぼ毎回噛んでたのが気になったけど

 

「新感線がおもしろやらないでどうする」精神は健在で、

シリアスな役どころなのにしっかり笑いも取っていくのずるいな~。

「当たり前だ」ポーズ何パターンかやってたけど最終的に初日にやったやつに定着してたね。後ろで真面目な芝居を続ける夢虎ちゃんとのギャップが面白くて好きだった。

「ありがとう、でもごめんなさい!」も初日めっちゃ笑ったな~。

天魔王お茶目すぎるでしょ笑 

 

信長のシーンは毎回撃たれてくるってまわって倒れるのすげーうまいなーって思いながら観てた。(そこかよ!)

ばかっぽい家康とふたり良いコンビだったな~。

 

「お前が俺のために動いてくれれば」ってもうすごい告白だよね。

最後の最後にすごい人間臭いとこみせちゃう天魔王憎めないな~。

 

これまでの天魔王ってなんか狡さとかなんかいやらしさがあったけど、

修羅天魔の天魔王って実に真っ直ぐだったな~って思う。

真っ直ぐ親子好き。

 

最後の一発撃たれる前の声の出し方が千穐楽に向けてどんどん良くなっていって、すごいガチッてハマった日があってあの時凄い鳥肌たったな~。

全然文章じゃ伝わんねぇな~

 

天海さまの極楽に対抗できる天魔王はやっぱ古田さんしかいないなと思いました!

 

そういやスクリーンの文字結局解読出来なかったな…

 

 

 


 

 

 

─ 兵庫 / 福士誠治 

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いや~、兵庫…この人はほんと大変だった…笑

 

とてつもなく個人的な問題で福士さんには大分失礼な話なのだけど、

さんざ通いまくったseason月上弦の須賀健太くんの兵庫が大好きでかなり強烈に脳裏に残っていたから初日はほんっっっっと受け入れるのにすごい時間がかかった!

ぴょんぴょん跳ねない…だと?荒武者隊とわちゃわちゃしない…だと?

って、とにかくギャップが凄くて…低スペ脳なので即座に処理できなかったのよね…。

どうせ馬鹿だよ!

 

でも!ちゃんと「極の」「修羅天魔の」兵庫として受け入れることができてからはもう本っっ当に観る度に好きになる一方で、最終的には大大大大大好き!になっていました!

 

なんか福士さんの兵庫って普通にかっこいいんだよね。かっこよすぎるんだよね。

そのせいか、最初なかった「もい」の書き間違いとかお給金巻き上げネタとか入れたり、「行くぞー!」って三五ちゃんに奪われちゃったりカンテツに自分だけ威張られるキャラになったり、ちょっと情けない感じ出すようなったのかな~と。

 

それにしても修羅天魔の兵庫はほんっとしんどいね!

捨蘭のいない世界でもやっぱり荒武者隊と死別する運命だし、

しかもこの世界ではしっかりしろって背中を押してくれる極楽太夫もいない。

義兄弟の契りを交わした、心から信じた、ほんっっとうに惚れた相手に刀を向けられる。

 

辛い事全部ひとりで背負って乗り越えて生きていかなきゃいけない。

 

天魔王を救えなかった月の捨之介は一度死に向かおうとしたけど、

夢虎を救えなかった極の兵庫はそれでも迷わず生きる道を選ぶんだよね。

 

しまいにゃ極楽の背中までしっかり押してあげる。

自分だって辛いのにね。

 

強いな、兵庫は。

 

極楽に「死ぬんじゃないよ」って言われた後、ニッて笑って「当たり前だ!」って言い切るのほんとかっこよかったな。

 

息絶えた荒武者隊に呼びかけるシーンなんて、あそこの福士さんのお芝居でどんだけ泣いたことか!

「起きろ!…起きろよぉ…起き…」って足ガタガタ震わせて、

悲しさと悔しさと怒りでいっぱいで家康に殴りかかって。

それでも一発だけで終わらせたのは、もしかしたら「自分がもっと早く来ていれば」っていう思いもあったのかな…。

 

はぁ…今書いてても思い出して泣けてくる。

 

荒武者隊ひとりひとりに語りかける言葉も良かったな。

修羅天魔の荒武者隊は奉公の時間があるから兵庫のそばにいる時間が他の髑髏城より少ないんだけど、あの言葉でやっぱり兵庫と荒武者隊は一心同体なんだなって伝わる。

 

どこかに荒武者隊が生き残る髑髏城の世界もあるといいな…。

 

夢三郎との関係も辛かったね。

目が合うと必ずニコって笑ってくれた夢三郎が夢幻と消えた瞬間、

血の海となった無界の里で本来の姿を見せた夢虎に対して「天魔王の息子だ」って聞かされてもそんなのすぐには信じられないんだよね。

「義兄弟の契りは忘れたのか?」ってその返事を聞くまで最後まで信じたくなかったんだよね。

 

兵庫は夢虎に対して、無界の里でも天魔の間でも一度も本気で戦ってないの。

無界では絶対に刀に手をかけないしなんならかまぼこ板で倒せちゃう。

兵庫のほうが力は上なんだよね。

でも兵庫は夢虎を殺したいわけじゃない、夢虎を止めたかっただけなんだよね。

若衆太夫の夢三郎にまた会いたかっただけなんだよね。

 

最初観た時はさ、キレのある竜星くんに対して福士さんあまりキレがないなぁ…殺陣とか苦手なのかなぁ…って自分馬鹿だから思っちゃったんだけど違ったよね。

わざとなんだよね。

兵庫は夢虎に本気を出せないお芝居をしていたんだよね。

これに気づいたときマジ自分阿保やなって思いました(大反省)。

その後の百人斬りはキレッキレでしたから!!

\アニキかっこいい~!!/

福士さんあんたすぅ~ごいよ~!!

 

そして声もいい。

馬鹿っぽい軽い感じの声も、男らしい叫び声もどれも良い。

 

福士誠治さんが修羅天魔の兵庫でほんっとうに良かったです!!!!!

 

ポジション的に極楽が捨之介なんだろうけど

個人的に兵庫の方が捨之介感あったなと思う。

 

うん、兵庫好き!

 

「さっそく夢の字に相談だ。あいつは頭も切れれば腕も立つ。奴がうなずきゃみんなも動く。いくぞー!」

いのうえさんー!このセリフなくしてほしくなかったぞー!!

 

 

 


 

 

 

─ 夢三郎・夢虎 / 竜星涼  

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はい好きー。

 

もう大好きです。ありがとうありがとう。世界よありがとう。

 

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竜星くんが全力で作り上げてくれた夢三郎も夢虎も大好きです!!

 

好きすぎてこんなブログまで書いてたわ。

ui-tra.hatenablog.com

 

 

初日はまだ夢三郎の時の声、地声に近い感じだったんだよね。

回を重ねる度にどんどん高い声を出すようになって、

でも喉がやられちゃったりもして。

それでも最後までこだわりを貫いて頑張って高い声だしてた。

因原の刀抜くのも最初の頃はうまくタイミング合わなかったりしたけどどんどん安心してみてられるようになったし。 

 

歌ものびのび歌うようになって、ひとつひとつの動きも大きくなって

ほんとうに立派な若衆太夫になっていったな~。

個人ブログだから上から目線だよ!ごめんな!

極楽に顔見世はこれっきりって言われた時の「むぅ~」って顔がかわいかった…。

 

 

二幕のお芝居も随分変わっていった。

最初は夢虎はほんとただのイキり坊やで、父上の前では子供になっちゃう夢虎ちゃんかわいいねーって感じでそれはそれでよかったんだけど、

5月入ったくらいからなんか品格が備わってきて凛としててもう夢虎ちゃんとか言えなかったよね。伐折羅の夢虎さまだった。

 

父上に「行け!」って言われて嬉々として走っていく姿は最後まで可愛かったけどね!

戯曲の “夢三郎、歓びに頬を紅潮させて出ていく” っていうのを100%体現してた。素晴らしいほどに。

 

殺陣も綺麗でさ、あのスタイルであの衣装であんな動きされたらもう竜星くんしか見れないよね…。

竜星くんのと・り・この罠にかかったってぇわけよ!

 

真面目に語ろう。

 

 

夢三郎は身を捨て心を殺していた仮の姿。

 

煌びやかな姿で常に笑顔で里を見守っていた夢三郎。

夢三郎としては里の皆を騙すという気持ちでなく、自分と父上の目的のために真っ直ぐ生きるという気持ちで動いていたんじゃないかな。

 

だからそこに罪悪感なんてなくて当たり前。

自分の正義で動いているから。

 

「入れば人に境はなくなる無界の里。境がなくなれば口も軽くなる。人は油断し、言ってはならない秘密も口にする。」

 

狙い通り兵庫がうっかり極楽の秘密を話してしまうんだよね。

「からかっただ~け~だっ」

あの笑顔の下で一体何を思っていたのだろう…。

“愚かな虫けらだ” とか思ってたのかな…。

考えるとますます兵庫が不憫に…アニキ~…

 

 

夢虎は本音で動ける本来の姿。

 

殺していた心を開放して活き活きと動き出した夢虎。

ようやく父上の右腕として本領発揮できる時が来て嬉しかったんだろうな。

全ての行動に何の迷いもなかったもんね。

 

およしさん、浅黄さんの声も荒武者隊の声も何も届かない。響かない。

何言われても表情が変わらないの。

清々しいほどの真っ直ぐさ。

全くブレないその姿勢大好きだった。

 

兵庫の強さは誤算だったのかな。

顔殴られてからの表情の崩れが最高にわかりやすい!

あげくかまぼこ板ごときにやられてプライドずたぼろよ。

 

夢虎にとって雑魚中の雑魚であろう三五ちゃんには「二級」呼ばわりされるし笑

クールに保っていた表情も怒りでぐしゃぐしゃよ。

でも無界の里から立ち去るとき「フフン」って感じのドヤ顔で去っていくの。

負けず嫌いのかわいい奴~。

 

そして名言「来たな、雑魚ども」である。

なんという出迎え方!城が崩れ始めているのに悠長に刀磨いてるし!

無敵の鎧を託されて気が大きくなっていたんだろうね。

さっさと雑魚を倒して父上のもとに…って。

まあそれも偽物だったのだけど。

 

騙されたと知った時のショック。

体中震えて「父上…父上…」って泣きそうになって…

かーらーのー

立ち直りの速さ!

夢虎にとって父上だけが絶対的存在だったから。

父上が全てだったから。

父上の為に生きると決めた時から自分の命は父上のものだったんだよね。

 

それが夢虎の正義。

夢虎にはその一本の道しか見えてない。

 

兵庫がどんなに「夢三郎」と呼びかけてもそんな人間は存在しない。

無界の里を襲撃すると決めたその時に夢幻と消えてしまったから。

 

もう勝ち目がないとわかっていても、

意識が朦朧として前が見えなくても、

それでも最後まで夢虎の道を歩む。

それが全てで誇りだったから。

 

最期に笑って死んだんだよ。

 

息絶える時まで誇りを守って一切自分を曲げなかった夢虎。

自分の正義を貫いた夢虎。

 

そんな夢虎が私は大好きでした。

 

 

竜星くんが76公演かけて丁寧につくりあげた夢三郎・夢虎は本当に本当に素晴らしかった!

 

もうさ、あのビジュアルだけでもおひねりあげたいくらいなのに

演技も所作も殺陣も素晴らしいなんて竜星くんセンスの塊なのでは…。

相当な努力ももちろんしたのだろうけどそれだけじゃない天性のものがあるよね…。

うた?歌はまあ…猛突さまが担当だから…

 

竜星くんにしかできない役だったよね。

女形も殺陣も竜星くんよりもっと上手くできる役者さんはいるけど

そういうんじゃないんだよね。そういんじゃないんだよ…。

カンテツは三宅さんしかいないように夢三郎も竜星くんだけの役だと思う。

ていうか竜星くん以外でやってほしくないな!

 

まだまだずっと観ていたかった。

ありがとう夢三郎。

ありがとう竜星くん。

 

 大好きだー!!!!!!!!!!

 

 

 


 

 

 

兵庫・夢さまに文字数割きすぎたので駆け足で行こうーーー!

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落書きがさらに雑! 

 

 

沙霧 / 清水くるみ

黄色い衣装がとても似合っていたかわいい沙霧。

ぜん三が逃げて里のみんなも荒武者隊も全滅して一人になっても逃げずに戦おうとした強い子。極楽を思いとどまらせたのも沙霧だった。

「その銃をあたしたちに向けるの?」に毎回泣かされました。

戦いの最後清十郎さんと手を取り合いながら歩いていく後ろ姿も好きだったな。

 

 

カンテツ / 三宅弘城

タナカ…じゃない、カンテツかわいいよ~!面白いよ~!色々もっていきすぎだよ~!

カテコの拍手の大きさがすべてを物語っていたよね。

14年前と同じ役ができるってとんでもなく凄い。

しかも50歳であの動き…ほんとすごい。

MVPといってもよいのでは!

タナカルームずっと観ていたかったよ~。

よく考えたら「過去はない」って親方のことも洗い流してるの贋鉄斎かわいそうだな!

 

 

狸穴二郎衛門 / 山本 亨

実に良い狸っぷりでした!

およしへの“下げるだけ下げて持ち上げるテクニック”は実際通用するのでしょうか?笑

あの時の極楽と清十郎さんの反応面白かった

自分の影武者の首に縋ってそのまま斬られて息絶えたおよしを陰から見て家康は何を思ったんだろうね…。

一番腹の底がわからないのはこの人かもしれない。

 

 

ぜん三 / 梶原

兄さは何といっても3D上演中のプロペラ鎌が最高だったよね。一番笑い取っていたのでは。

私面白くても観劇の時はあまり声に出さないようにして笑ってるんだけど初日に観た時声出たもん。

おにぎり盗んで逆ギレする卑しいおっさんからみんなの後を追って単身髑髏城に乗り込む勇気あるおっさんへ。

一番成長したのはこの人かもしれない。

 

 

三五 / 河野まさと

コピペ三五ちゃんも好きだ~。猫熊かわいい~。しゃくれてる感じがかわいい~。

河野さんも奇跡の50歳だよな~若い。

声がまたキャラとあってて最高。

妙声さまとのお互い試し合ってるアドリブ毎回楽しみだったな。

新しく作った無界の里では裏切るんじゃないよー!

 

 

贋鉄斎 / 逆木圭一郎

カンテツと息ピッタリ!

二人が時間気にしないでやるアドリブとか見たかったな。

「至福至福…」って親方ってば心広すぎだよね。

あと逆木さんはなんといってもナノブロック髑髏城がすごかった!

 

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ちゃんと登場人物いるのかわいいよ~。

 

 

清十郎 / 川原正嗣

配役表なんであんな後ろにいるの?ってくらい重要でおいしい役じゃないですかイケボ折鶴おじさん…!

もうさすが殺陣がすばらしいよね。

これがお手本です!って流れるような動き。

「そいつは信じてやってくれませんか」最高にかっこよかった。

すぐ殺りたがるところが玉に瑕である。

 

 

迷企羅の妙声 / 右近健一

波夷羅の水神坊 / 吉田メタル

宮毘羅の猛突 / 原 慎一郎

修羅天魔の髑髏党幹部ほんと好き。愛すべき馬鹿たち!

 

妙声さまラブリーで妖精さんかな?って感じだったよ!

三五ちゃんと二人のやりとり通じなくて客席の空気が微妙になったりする時もあったけど面白かったよ~。

 

水神坊は無駄な筋肉アピールとか自分でおなかに傷描くとかそれ小劇場のネタやで!

3人の中では唯一ちゃんと戦って負けたのかな笑

 

猛突さまはひとり本格ミュージカルごちそうさまでした!

あの歌声めっちゃ心地よかった…。千穐楽の「それが我ら、髑髏とーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうの、掟では、な・い・か~~~~」過去最高に長くて笑った。

 

 

およし / 村木よし子

浅黄 / 保坂エマ

夢三郎を支えてきた素敵なねえさんたち。

ほんとうちの夢虎がごめんな…(誰)

二郎さんに対して乙女になっちゃうおよしかわいいよおよし。

噂の極楽太夫を前に興奮しちゃう浅黄さんもかわいいよ。浅黄さんなんでいつもゲロ吐いてたんだろう笑

 

 

黒平 / 穴沢裕介

白介 / 小川 慧

青吉 / 上垣内 平

黄平次 / 鈴木智

赤蔵 / 渡部又吁

お前たちーー!!よくやったぞーー!!

 

天魔王に目を斬られても最後まで大兄貴を守った黒平!

よもぎを売ることを諦めない白介!

夢虎の弓を華麗なヘッドスライディングで椅子の下に隠す青吉!

観客への黒服っぷりが達者な黄平次!

アニキをしっかり叱ることができる赤蔵!

着眼ポイントがおかしいのは気にするな!

 

お前達の言葉は夢虎にはまったく響かなかったけど、私には響きまくっていたよ!

泣いたー!!

 

 

無界ガールズも色里感たっぷりのちょっと猥雑な感じがたまらんかったよ!

月はどっちかっていうとキャバクラだったよね

個人的におすずがかわいくてお気に入りでした。

 

渋い服部半蔵、馬鹿代表因原数馬、ミュージカル頑張った鉄騎兵の皆様もみんな最高だー!!

 

 

 

どんどん書きっぷりが雑になってきましたが、

ほんとひとりひとりに頭を下げたい気持ちだよ!!!!!

 

 

みんな!ありがとう!!!!! 

 

 


 

 

いやはや、

改めて振り返るとやっぱり “ 天海祐希 ” あっての修羅天魔だったよな~と思います。

 

個人的に修羅天魔のキャス変再演はないんじゃないかと思ってる。

だってどう考えても天海さんと古田さん以外無理…。あの二人だから意味がある。

 

後悔しないようにたくさん通ったな~。16回…でもほんとはもっと観たかった。

沢山通った分思い入れ強くなりすぎて未だにロスこじらせてしまっているけどな~。

 

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ピントが合わない煎餅。 このお城ともお別れだ!

 

たくさん笑ってたくさん考えてたくさん泣いた。 

大切な思い出はさすがに捨之介できないよ~。

 

七年後も髑髏城の七人再演はあるのか?

劇団員は出演するのか? 

 

七年後のことはわからないから、

とりあえず今はなるはやで花鳥風月極Blu-rayボックスを出してください!!!

DVDじゃなくてBlu-rayで!

ディスクの入れ替えめんどくさいから!

あとサントラもー!!髑髏党ミュージカルも入れて下さい!

 

あと髑髏城ゼロも期待してるし

なんなら兵庫と夢三郎のスピンオフもほしいくらいだよ!いやほしいでしょ!

 

うーん、まだまだしばらく髑髏城から抜け出せないようです。

 

結局夢を捨て、全部捨てて一からやり直すなんてできないのでは!!

だってまだまだまだまだ修羅天魔観たい。 

 

 

それでも!

「ここからが始まりだよ!!!!!」

 

 

~EDテーマ挿入~

 ♪ 名も無き民草の生き様ぁ~…

 

私の頭の中の「夢三郎」という人間

私の中で、髑髏城シリーズ中一番好きなキャラクターとなった「夢三郎」。

好きになってしまったのでひたすらそのキャラクターについて考えてしまうわけです。

 



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以下ネタバレ有

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夢三郎は「夢虎」として本当の自分をさらけ出した時

「雑魚」「虫ケラ」「ウジ虫」などという言葉を吐くのだけれど、

これはもしかしたら夢三郎が天魔王に呼び寄せられる以前の人生で

ずっと周りの人間に浴びせられてきた言葉だったのではないか。

「武士」「百姓」にこだわるのも、もしかしたら「百姓」として生かされて

武士から見下されてきたからなのではないか。

 

父親が誰かも教わらないまま生きて寂しい思いや辛い思いを沢山してきたのかもしれない。

 

そんな人生が髑髏党決起の際に天魔王から呼び寄せられたことでガラッと変わった。

 

生まれて初めて自分を必要としてくれる存在に出会った。

ましてや本当の父親。

人生で一番の喜びを得た瞬間だったはず。

 

「伐折羅の夢虎」の名を与えられ、存在価値を与えられ、

その時から夢虎にとって天魔王が自分の全てとなった。

 

天魔王が喜ぶことなら何だってする。

天魔王の悲願の為なら身体を売ることさえ厭わない。

自分の人生全てを天魔王に捧げよう。

 

そう誓ってあの日まで生きてきたのではないか。

 

偽物の鎧と分かったその瞬間、

もしかしたら一瞬「なぜ」と思ったかもしれない。

でも夢虎は言った。

 

「それでいい。実の息子を騙して囮にして、己の本懐を遂げる。それでこそ天魔王、それでこそ、信長として騙し続けた男だ。」

 

これは強がりでも開き直りでもなく、夢虎の本心だと思う。

 

自分に夢虎として、武士として生きる道を与えてくれた

天魔王からの、父親からの最期の大仕事。

 

捨て駒だったとしてもそれが天魔王の為なら受け入れよう。

誇りを捨て生きていくくらいなら、武士である「伐折羅の夢虎」のまま自ら死を選ぼう。

 

「天魔王が一子、夢虎」

 

誇りを捨てず父親のために迷わず切腹した。

 

 

傍から見たら「可哀相な子」かもしれない。

 

でも夢虎は幸せだったんじゃないかな。

幸せだと思いながら死んでいったんだと私は思う。

 

自分を必要としてくれる人の為に自分のすべてを捧げて果てる。

本懐でしょう?

これで幸せじゃないわけがない。

 

そう思いたい。

そう願いたい。

 

 

 

それが私の中の「夢三郎という人間」です。

 

 

 

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ちなみに「本当の息子なのか疑わしい」という意見もあるみたいだけれど

私は実の息子だと思ってる。

 

だってあの天魔王がわざわざ他人の子供にそんなめんどくさいことするかな?

そんな親子設定しなくても優秀な駒に育てるくらいわけないでしょ。

あの天魔王よ。

 

実の父親としての愛情も少しはあったんじゃないかな。

城で着る着物、わざわざデザイン同じの柄違い着せるとか愛でしょ。

無界屋襲撃で極楽の弾からかばったのも愛でしょ。(まだ死なれては困るって意味もあったろうけど)

 

ま、これもそうであってほしいなーっていう願いだけど。

 

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あと残り1か月半でまた考えかわるかもしれないけれど

これが今の私の大好きな「夢三郎」に対する考えです。

 

夢三郎

スシオさん風夢三郎